春の先の春へ 震災への鎮魂歌 古川日出男、宮澤賢治「春と修羅」をよむ

春の先の春へ 震災への鎮魂歌 古川日出男、宮澤賢治「春と修羅」をよむ

  • 著者:古川日出男、宮澤賢治
  • 装幀:五十嵐哲夫
  • 定価:本体1400円+税
  • 四六判上製CD付
  • 978-4-903500-70-6 C0092

「声が先頭に立って、言葉がついていく、そう思うと、今まで遮断されていた、賢治への道が見えてきました」(小池昌代)

「東北は遠い。でも賢治の声と日出男の言葉に乗って、われわれはそこへの歩みを何度でも開始する」(管啓次郎)

「その三月に震災は起き、僕はひと月かふた月か、さまざまな文章が読めずにいました。しかし、それでも数人の文学者の、わずかな数の本は読めた。そうした本のことを考えつづけています。そこには宮澤賢治がいました」(古川日出男)



[目次]
宮澤賢治「春と修羅」より
 永訣の朝
 無声慟哭
 報告
 青森挽歌
 春と修羅
[文]
古川日出男
虹の声 小池昌代
日出男に声を借りる賢治に言葉を借りる日出男、ふたりの心の火、響き 管啓次郎

CDクレジット 宮澤賢治「春と修羅」より5篇(22分20秒)


書評・記事
婦人之友 2013年1月号 姜信子「声を聴こう」
図書新聞 2012年7月28日号 郷原宏「ろうそくのゆらめきから生まれた一冊」
GINGER 2012年5月号 BOOK 温水ゆかり
週刊現代 2012年4月7日号 リレー読書日記 俵万智
ミセス 2012年4月号 中島京子さんの今月の本
毎日新聞 2012年2月15日 読書面 BOOK WATCHING
読売新聞 2012年1月17日 文化面「賢治作品 震災後の心に灯」
日本経済新聞 2012年1月11日夕刊 読書面 陣野俊史「魂を揺り動かす朗読」
ポパイ 2012年2月号 THIS MONTH’S PICK-UP


古川日出男(ふるかわ・ひでお)
小説家。福島県出身。主な作品に『アラビアの夜の種族』『ベルカ、吠えないのか?』『聖家族』『中国行きのスロウ・ボートREMIX』『サウンドトラック』『馬たちよ、それでも光は無垢で』など多数。
小池昌代(こいけ・まさよ)
詩人、小説家。主な作品に詩集『永遠に来ないバス』『コルカタ』、小説『タタド』『弦と響』『黒蜜』などがある。
管啓次郎(すが・けいじろう)
明治大学理工学部教授。比較詩学。主な著作に『コロンブスの犬』(河出文庫)、『斜線の旅』(インスクリプト、第62回読売文学賞受賞)、書評エッセイ集『本は読めないものだから心配するな〔新装版〕』、詩集『Agend’Ars』『島の水、島の火 Agend’Ars2』(いずれも左右社)などがある。